蓬田産トマトの魅力発信 2014年09月07日日曜日 河北新報

河北新報青森県蓬田村の甘くておいしいトマトを広めたい-。東京のIT企業をことし1月に辞め、古里に戻ってトマト農家になった小田桐克さん(50)と妻雅子さん(47)が、青森市古川に野菜直販店を開いた。県内でも知名度が低い蓬田産トマトの魅力を伝えようと張り切っている。

  直販店は「Mugwort TOMATO(マグワートトマト)」で、7月下旬にオープンした。マグワートはヨモギの英語名。トマトは小田桐さん夫妻が同村 の畑で栽培する「桃太郎」「華小町」など8種類。皮が薄く、果物のような甘みでサクランボ大の「baby baby(ベビーベビー)」という珍しい品種も 扱う。
 他に3軒の契約農家の畑で採れたキュウリやシシトウなどの有機野菜も販売している。
 トマトは通常、店頭に並ぶころに熟れるよう青く未熟なうちに収穫する。小田桐さん夫妻は完熟させてから収穫し、甘みやこくが深まった食べ頃のトマトをその日のうちに店に置くという。
 店を切り盛りする雅子さんは「蓬田村の寒暖差が生み出した新鮮で良質な野菜をぜひ味わってほしい。たくさんのトマトがあるので選ぶのが楽しいですよ」とPRする。今後はトマトを使ったジュースやスープの販売も考えているという。
 畑仕事や出荷作業を担う克さんは高校卒業まで青森市で育ち、仙台の大学に進み、東京のIT会社で25年勤務した。
 空き家となった市内の実家に何度か帰るうちに、「古里の役に立つことがしたい」と思うようになった。「青森の農業をアピールしよう」と奮起した。
 蓬田村に友人がいて、以前からトマトのおいしさは知っていた。自分でも取り組もうと決意。3月から村内にハウス4棟を借り、周囲の指導を受けながら栽培する。
 克さんは「農協や先輩に助けてもらい、成長させてもらっている。県内や首都圏に広め、蓬田のトマトの知名度アップを目指す」と語る。
 すでに首都圏の自然食品スーパーやレストランにも出荷、さらに販路拡大を図りたいという。

店の連絡先は017(777)8155。

2014年09月07日日曜日 河北新報より転載